桜の不思議な力

 週末は雨で桜見ができていない。もう満開は終わったのかすらあやふや。毎年きちんと桜と見つめ合う時間を設けないと何だか気持ち悪い私がいる。

 余命宣告の際、あと桜を何回見れるとか、次の桜が見えるかどうか、と例えられることがある。自分は健康であったとしてもあと40回ぐらいかと考えると過去に見てきた桜風景が思い出される。

 学生時代は入学式記念写真で見た桜の印象しかほぼない。社会人になった際は、社会の厳しさを味わいながら、たまたま部屋の外に咲いていた桜風景を毎年一人考えながら見ていた印象が強い。そして今は河川敷に咲く桜を毎年見ている。

 今年の状況と過去の状況を照らし合わせながら、辛い過去でもその時にしか味わえなかった幸せを思い出し、今を大事にしようと考えなおす機会になるのだ。桜は一年に一度コンサートがあり、それ以外は身を潜めて次のコンサートに向けてコツコツと準備しているかのようで格好よさを感じる。桜は考えさせられるし、元気をもらえるなんだか不思議な存在。桜さん、来年も元気に会いましょう。明日もワクワクしよ。